イギリスとの関わり

鈴木 慎一

学部卒業論文で英国の1944年教育法(Butler Act 1944)を取り上げ、修士論文で更にほり下げて以来、英国教育立法に関心を持ち続けている。

上記論文作成中にBrian Holmesのproblem approach to comparative educationの背景にある理論構築と現代物理学の関連に興味を持ち、依頼、比較教育と自然科学の方法論との関連を調べ続けている。

とりわけ、John Deweyの方法意識と現代物理学理論との潜在的関連に気づき、Holmes 論の奥行に惹かれている。

他方、イギリス教育辞典は年来の仕事で、ぜひ完成させたい。 上記のような問題関心を持ちながら、早稲田大学在職中には私立大学の教師教育界核に取り組み、全国私立大学教職課程研究連絡協議会の事務局長として10年努め、傍ら、文部科学省の教育職員養成審議会でほぼ10年、改善提言を言い続けた。地域教師教育連絡協議会はその産物。ただし、これが持続されなかったのは私立大学にも責任の一端がある。

日本の中国侵略について誠実に対応する必要があるとする日本の教職員の訴えに応えて、日中教育研究連絡協議会が編成された折、種々、事情が重なって、私が事務局を早稲田大学で引き受けたことがあった。

約10年引き受けて、中国の私と同年輩の方々から好意をもって迎えられた。しかし、中国語を忘れてしまった私(旧満州生まれ)には限界があった。早稲田大学退職(2003年)後も、私を招じ続けて下さった中国の友人に深く感謝しています。

私には、もう一つ私を理解していただくうえで欠かせない事柄があります。それは日英教育研究会を組織したことです。当初は、それは英国の教科書検定の有無と実際に関する5名程度の集いでした。

1970年代前半に始まったその研究会は、徐々におおきくなりました(それでも15名位下)。ある年、全国的に英国教育研究にかかわる方々をネットワークとしてつなぐことになって、日本教育学会の折に呼びかけました。

発足したのが日英教育研究フォーラムでした。故人になられた大田直子博士が事務局長になり、私が代表をひきうけました。この協議体は、その後11年間、多くの英国教育研究者を日本に招じて研究交流をひろげました。British Councilのご支援をわすれられません。